東京高等裁判所 昭和44年(ネ)951号 判決
控訴人らおよび被控訴人の訴外会社および亡村瀬逞に対する関係は控訴人主張のとおりであることは前記認定のとおりであり、さればこそ控訴人らおよび被控訴人は右契約当時においてただちに訴外会社に対する債権者というを得ないものであるのに、当審における、控訴人村瀬光代、被控訴人各本人尋問の結果によると当時訴外会社には多数の債権者が存し、その債権総額金数千万円に及ぶものであることが認められ、前記全東栄信用組合、株式会社南印刷所も右債権者に含まれているのに、(ただしこの場合は一般債権者と競合するほかはない)、控訴人、被控訴人らにおいて、前記認定の訴外会社が払渡される保険金を、自分らのうちの一人を訴外会社の代表取締役に選任せしめて受領することとし、(このことが予定されなければ分配するべき保険金が自分らの手に入らないのであるからすでに分配契約において当然予定されていたものといわなければならない)その結果、被控訴人が、株主総会、取締役会の議を経ないで代表取締役たる地位に就任したものである。従つて、本件保険金分配契約は民法第九〇条により無効であるといわなければならない。
(浅賀 川添 秋元)